2022年度から都立高校の入試では、英語においてスピーキングテストと呼ばれる試験が導入されました。学習塾の経営者や教育に携わる人を中心に賛否両論があった都立高校入試の英語スピーキングテストですが、いったいどのような試験なのでしょうか。このテストは、都内の都立学校や民間施設を借りて実施されます。行われる時期は都立高校入試の最大の山場である学力検査より前で、2022年度は11月下旬に行われました。
2022年度のスピーキングテストは、専用のタブレット端末とヘッドセットを利用して行われ、会場に到着して着席した受験生はヘッドセットをつけ、話す内容を録音するという形で解答しました。問題は大きく、画面に表示される英文を声に出して読むもの、表示されたイラストを見て状況説明をしたり質問に答えるもの、ある事柄に対する自分の意見を自由に述べるものなどで構成されていました。スピーキングテスト自体の満点は100点ですが、合否判定ではこの点数はそのまま用いられません。得点に応じてAからFの6段階の評価がつけられ、さらに評価に応じた点数に換算されます。
点数は4点きざみとなっており、最も評価が低いFは0点、最高評価のAだと20点になります。このような仕組みであるため、都立学校入試におけるスピーキングテストの満点は20点であると説明されるケースが少なくありません。現在の制度では、スピーキングテストの得点より内申点や学力検査の得点の方が比重が圧倒的に大きいです。しかし、スピーキングテストはまだはじまったばかりであるため、今後都立学校の入試制度が見直される際に配点や換算方法が見直される可能性は十分にあります。